第5回 高周波アナログ半導体技術セミナー報告 |
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□テーマ: 「高周波用ガリウムナイトライド(GaN)半導体の現状と将来展望」 □日 時: 平成18年8月2日(水) 15:00〜17:20 □場 所: 研究成果活用プラザ京都 第5回目の上記セミナーが、平成18年8月2日(水)に、科学技術振興機構 研究成果活用プラザ京都において開催された。 今回も参加者は、60名強と大変盛況であった。内容概略は、下記の通りである。 また、講演の後の懇親会も、30名以上の参加があり、この分野における新しい産学連携プロジェクトの起案と新規事業への振興に対して、熱い期待が語られた。また本高周波アナログ半導体ビジネス研究会の活動に対しても、大きな期待がよせられた。 |
◆講演1.:「GaNデバイスの将来展望」 葛原 正明 氏 福井大学 工学部 電気・電子工学科 教授 |
窒化物半導体は、青色LEDやLDなどの光デバイスだけでなく高周波・高耐圧デバイスとして応用できる。 既にGaN-HEMTではRFパワーCWで230W(FED)、パルス368W(Nitronex)、カットオフ周波数163GHz(NICT)のデバイスなどが発表されている。 窒化物半導体デバイスの応用分野として、携帯電話基地局用が期待されているが、更に同系統の新材料を用いるならば超高速や高耐圧・高温デバイスにも利用が広がることが期待される。 |
◆講演2.:「Naフラックス法による大型高品質GaN結晶のLPE成長」 森 勇介 氏 大阪大学 大学院 工学研究科 助教授 |
気相成長法や昇華法と比較してNaフラックス法では、結晶欠陥の低転位化が可能であり、高品質・大型結晶も得られる。今後、更に研究開発を進め、日本国内でGaN基板を調達できるようにしていきたいとのことであった。 |
◆講演3.:「高周波パワーGaNトランジスタの開発状況」 宮本 広信 氏 (財)新機能素子研究開発協会(FED) 主幹研究員 |
NEDOプロジェクトで、独自開発のリセス構造フィールドプレートFETを開発して、小型増幅器が試作されている。そのGaN-FETは、世界最高クラスのワンチップ230W/(2GHz)、100W/5GHz、5.8W/30GHzであり、応用分野として4世代の携帯電話基地局用を期待しているとのことであった。また、微細ゲートによる準ミリ波帯用GaN-FETも試作されている(fT81GHz、fmax190GHz)。今後の課題は、エピウエハの大口径化、高品質化、低コスト化など。 |
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