高周波アナログ半導体ビジネス研究会

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第17回 高周波・アナログ半導体技術セミナー報告
□テーマ:「高放熱・高耐熱実装技術開発最前線−電力デバイス実装&LEDバックライトの動向」
□日 時: 平成21年12月 1日(火)14:00〜17:00
□場 所:京都テルサ(京都府民総合交流プラザ)


  第17回高周波・アナログ半導体技術セミナーが、平成21年12月1日に京都テルサ(京都府京都市)で開催された。今回のテーマは「高放熱・高耐熱実装技術開発最前線−電力デバイス実装&LEDバックライトの動向」で、LSIやLEDの実装技術を取り上げ、この分野で活躍されている大学及び企業の方々を講師にお招きして開催された。参加者は43名で、LSIの実装のための新材料開発や照明の世界に革新をもたらしつつあるLEDバックライトに関して、要素技術から応用分野にわたって現状と将来展望について活発に討論が行われた。またセミナー終了後の交流会も25名程度の参加を得て、いつものように新たなネットワーク作りと共に、熱い意見交換が行われた。以下、講演の概要を報告する。
◆講演1:「実装技術における高熱伝導有機材料」
        西村 隆 氏 三菱電機(株)  先端技術総合研究所 
 電力機器・電子機器の小型化に伴い発熱密度が増大する傾向にあり放熱技術が非常に重要となってきている。講演は初めに最近の高熱伝導材料技術の現状とともに、軽量・安価で放熱性能が高い、高熱伝導有機材料に対するニーズが紹介された。有機高熱伝導材料の基礎から紹介とともに三菱電機で開発されている高熱伝導絶縁シートを用いた最新の高放熱構造パッケージの報告があった。新しい構造にすることによって、モールド樹脂の熱伝導性や流動性が不要になり、従来よりも熱抵抗を大幅に低減することに成功している。さらに、熱伝導率を向上することを目的に、高熱伝導フィラーの複合化や有機高分子の高熱伝導化技術についても報告があった。
◆講演2:「LEDを用いたスタティックとダイナミックバックライトの現状と展望」
        カランタル カリル 氏 日本ライツ(株) R&Dセンター 所長
 携帯電話やPC、テレビなどに使われているLEDを用いた液晶用のバックライト技術について、その技術と現状の報告があった。時間的な変化をしない受動的バックライトは、液晶と連動しておらず、導光板を用いた方式で如何に効率よく均一にできるかが課題であり、プリズムとマイクロレンズを組み合わせた新しい照明タイプの技術開発について報告があった 。また、広範囲の色空間を実現したRGB-LEDを用いたバックライト技術の最新動向について議論がなされた。時間的変化がある能動的バックライトは液晶と連動しており、ブロック型のディミング法で入力信号によってバックライトの空間輝度分布を変調するなどで画質が向上し、消費電力が減少するなどの技術の紹介がなされた。さらに、補間技術や黒挿入技術などでより鮮やかなディスプレイが実現しており、テレビなどに利用されている。
◆基調講演:「高温鉛フリー実装技術市場」
         菅沼 克昭 氏 大阪大学 教授
 デバイスの微細化、省エネ、環境への配慮から高温鉛フリーの実装技術の市場拡大の紹介から、関連する金属系高温はんだと導電性接着剤の現状と動向の紹介がなされた。高温はんだのニーズは用途によって要求される特性があり、Sn基合金をベースとしたそれぞれの特徴などについて議論がなされた。その中で適正な融点を持ち、金属間化合物を形成せず優れた引っ張り特性、熱伝導率を示すことから、Zn-Sn系が高温鉛はんだの代替として適合していることなどが議論された。高湿劣化に関してはAu/TiNコートなどの技術で回避できるなどが紹介された。高熱伝導・低抵抗導電性接着剤実装技術は、新たの選択肢として提案され、はんだと特性・取り扱い等で違いが明確化していることが紹介された。これからの実装技術として物性評価技術や信頼性評価技術などの開発が必要との議論がなされた。
◆講演3:「シャープの液晶事業について」
         今井 繁規 氏 シャープ(株) 研究開発本部 ディスプレイシステム研究所 所長 
 液晶ディスプレイの歩みとして、液晶物質の発見からシャープで世界で初めて発売した液晶電卓、液晶テレビへの応用の紹介などその歴史から今後の市場に関する報告があった。液晶の動作原理などの紹介の後、次世代テレビ(超高画質・超低消費電力・超薄型)に関する議論がなされた。その主な技術はLEDバックライト技術であり、ブロック単位にエリアを制御するAQUOS方式の特徴などが紹介された。バックライトの制御技術、光学技術、エリアアクティブ技術などから構成され、それぞれの紹介がなされた。これらの集大成により高いコントラストや輝度表現に成功している。

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