高周波アナログ半導体ビジネス研究会

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第22回 高周波・アナログ半導体技術セミナー報告
□テーマ:「スマート・ヘルスケアとソリューション事例」
□日 時: 平成23年2月14日(月) 13:30〜17:00
□場 所: 横浜市技能文化会館 大研修室802


 第22回高周波アナログ半導体技術セミナーは、JASVA主催 第66回IP・設計委員会セミナー(後援:横浜市経済観光局、NPO法人 HAB研)として、平成23年2月14日に横浜市技能文化会館(神奈川県横浜市)で開催された。今回は「スマート・ヘルスケアとソリューション事例」のテーマで、横浜市及び日本テキサス・インスツルメンツから講師をお招きして開催した。参加者は、約50名で、メディカル分野のトレンド、アプリケーション、要素技術等に関して活発な討論が行われた。
以下、講演の概要を報告する。
◆講演:「横浜市の目指す健康長寿社会とエレクトロニクス企業への期待」
     永田 紳一 氏 横浜市経済観光局 成長戦略推進部長
 横浜市経済観光局成長戦略推進部長 永田紳一氏から表記テーマで、約40分の講演が行われた。ライフサイエンス都市を目指す横浜市の取り組みについて、課題と目指す姿、実現するためのアクションプランについて説明された。
 初めに、高齢化の進行、生活習慣病の増加、寝たきり・認知症等の増加という社会問題に対する取り組みとして、長寿社会にあった生理、精神、人間性にまで広げた新しい健康感に基づいた健康長寿都市構想を説明された。横浜市は、高齢者の新たなライフスタイルを実現するため、大学、企業、市民が連携して健康都市づくりを推進している。
 後半は、上記取り組みのアクションプランとして、半導体、組込み、ソリューションといった横浜市の強みを活かした先進予防医療産業クラスターの形成による産学連携での先端予防医療の研究開発の説明があった。具体的な事例としては、センサー+近距離無線でバイタルデータの24時間計測及び医師の診断ができる在宅健康管理システム等の説明があり、エレクトロニクス企業への大きな期待を感じると共に、我々にとっては、大きなビジネスチャンスであると感じた。
◆講演:「メディカル・トレンドとTIの取り組み」
     正田 博之 氏 日本テキサス・インスツルメンツ梶@営業・技術本部 マーケティング/応用技術統括部
                フォーカスドEEマーケティング マネージャ
 日本テキサス・インスツルメンツ(株)営業・技術本部 正田博之氏から表記テーマで約25分の講演が行われた。Texas Instruments Inc.(以下、TIと呼ぶ)及び日本テキサス・インスツルメンツ(株)のご紹介の後、メディカル分野におけるトレンド、アプリケーション、及びTIの取り組みについて説明された。
 メディカル分野は、高齢化社会、医療費の増加、遠隔医療や新興国等様々な医療ニーズ、また昨今高まってきた個人の健康意識等々により、年率10%で安定した成長を続けており、既にWWで25億ドル市場となっている。このメディカル分野を、TIではコンスーマ、診断装置・モニタ機器、医用画像処理機器、実験装置・器具の4セグメントに分けて、サポートしている。コンスーマ・メディカルでは、コンティニアに準拠したメディカル・プラットフォームで通信機能を提供し、診断装置・モニタ機器では、小型化を推進することで患者が自由に動ける環境を実現し、また医用画像処理機器では、ポータブル化(小型化)によりポイント・オブ・ケアを実現している。TIは、メディカル分野を一つの大きな柱として、力を入れており、着々とビジネスを進めていることがわかる。
◆講演:「スマートヘルスケア市場及びそのトレンドとアプリケーション」
     鈴木 巧 氏 
日本テキサス・インスツルメンツ渇c業・技術本部 マーケティング/応用技術統括部
              フォーカスドEEマーケティング マネージャ
 日本テキサス・インスツルメンツ 営業・技術本部 鈴木巧氏から表記テーマで約1時間の講演が行われた。世界のホームメディカル機器市場は生活習慣予防の高まりから需要は右肩上がりになっている。それに加えスマート・ヘルスケアの方向性がみえてきた。その理想は“いつでも、どこでも、無意識で!”行われることで、バイタル・データセンシング、BANを使った健康管理サービスになる。スマート・ヘルスケアに求められる技術は小型センサー、超低消費電力ソリューション(MCU,ワイヤレス、エナージー・ハーべスティングである。こららの用途に対してTIのソリューションとしてヘルスケア製品に最適な超低消費電力MCU及び固定小数点DSP、心電計・脳波系向けアナログ・フロント・エンドなど具体的に幅広い製品の紹介があった。
◆講演:「超音波診断装置等医療画像診断装置、その仕組みとTIソリューション」
     菅原 勇介 氏 
日本テキサス・インスツルメンツ梶@営業・技術本部 マーケティング/応用技術統括部
                フォーカスドEEマーケティング 主事補
 日本テキサス・インスツルメンツ梶@営業・技術本部 菅原勇介氏から表記テーマで約50分の講演が行われた。X線、超音波、CT、PET、MRI、Opticalなど医用画像処理の性能向上が進められている。その中に使われるT/Rスイッチ、アナログアンプ部、DAC、ADC、ディジタル信号処理部に対してTIはソリューションを提供している。最高性能の14Bit, 250MSPSのADC、各装置向けのアナログフロントエンド製品について詳しく説明をされた。そのあと超音波の性質、DSP、MPU、FPGAの基礎知識、に関してわかりやすく解説があり、最後に超音波診断装置を例に信号処理のフロー、ソフトウェアデザイン例、TIのプロセッサ・ソリューションのビジョンについて、丁寧な説明があった。

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