第25回 高周波・アナログ半導体技術セミナー報告 |
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□テーマ:「エネルギーの情報化技術の現状と今後の動向」 □日 時: 平成23年9月29日(木) 14:00〜17:00 □場 所: 京都テルサ 西館 3階 第2会議室 第25回高周波・アナログ半導体技術セミナーが、平成23年9月29日京都テルサ西館3階第2会議室(京都市南区)で開催された。 今回のテーマは「エネルギーの情報化技術の現状と今後の動向」で、この分野で活躍されている第一人者の方々を講師にお招きし講演していただいた。参加者は30名で、情報エネルギー統合ネットワークの概念、実現ステップ、実証実験の例、スマートタップ、地域ナノグリッド、節電を極めるエコハウスなどについて、講演、活発な討論が行われた。 セミナー終了後の交流会にも、セミナー参加者の多くが参加し、講師を囲んで、具体的、詳細に及ぶ熱い意見交換が行われた。以下、その概要を報告する。 |
◆基調講演:「エネルギーの情報化によるスマートエネルギーマネージメント」 松山 隆司 氏 (京都大学大学院 情報学研究科 教授) |
超分散型エネルギー社会基盤の構築を目指した情報・エネルギー統合ネットワークというアイディア(世界中のすべての国、地域で成り立つ京都モデル)を実現する、IPプロトコルに相当するような、世界標準プロトコルの確立を目指していること、需要家の需要家による需要家のためのエネルギーマネジメントを対象としており、スマートグリッドとは全く違うアイディアであること、このシステムは自動車・家電を超える新たな産業の振興になることが示された。 具体的な実現ステップとして、スマートタップネットワーク、オンデマンド型電力ネットワーク、電力カラーリング(どの装置が稼働しているかの判別と制御)、地域ナノグリッドによるエネルギー売買市場の創成が提案された。スマートタップネットワークを用いたスマートマンションルーム実証実験も紹介された。無駄な電力消費の削減、受容出来る範囲内で、最大電力制限値以下で電力機器を運転できることなど、具体的な成果が示された。 進行中の実証プロジェクトとして、松山教授が主宰するエネルギー情報化WGがスマートエネルギーマネジメントシステムを先導的に実証する「京都モデルエコ住宅システム」、 経産省補助金事業の地域エネルギーマネジメントシステムを実証する「けいはんな地域実証プロジェクト」などが紹介された。 なお、情報・エネルギー統合ネットワークを実現する上では、電気事業法を改訂することが必要であることも具体例で示された。 |
◆講演:「スマートタップネットワークを使ったエネルギーの情報化の実現技術」 加藤 丈和 氏 (京都大学 学術メディアセンター 特定准教授) |
スマートタップおよびスマートタップネットワークの目的、スマートタップの実物とその中身、スマートタップネットワークのアーキテクチャーなど具体的な内容、スマートタップとスマートメータの違い、エネルギーの情報化とスマートグリッドの違いなどが先ず紹介された。 スマートタップによって家電の種類を100%近い精度で自動認識できること、消費電力の見える化、無駄な電力の家電の発見、家電の異常の発見ができることが具体例で示された。 オンデマンド型電力制御システム設計方針と具体的な設計の方法、家電の特性と運転優先度の数学的表現などが詳細に紹介された。 スマートマンションルーム実証実験の内容、スマートタップネットワークを用いて人物の移動軌跡を認識する例、扇風機の異常停止の検出の例などの動画が初めて公開された。 今後の予定として、オンデマンド型電力制御システムの実証実験を2011年度後半に、複数電源実証実験を2012年度に実施する計画が紹介された。 |
◆講演:「節電を極める家を目指す − シャープのエコハウスについて」 中川 泰仁 氏 (シャープ株式会社 研究開発本部 エコハウス要素技術開発センター所長) |
最初に、シャープの企業ビジョンと事業ビジョンが紹介された。 全電気エネルギー消費の約1/3を占め、伸びが大きい家庭の消費電力量の節電を極める具体的な取り組み、開発などが詳細に報告された。 @電気機器の買い替えで30%の節電が可能 Aスマートプラグを用いた電力の見える化によって、15%の節電が可能 BHEMS(ホームエネルギー管理システム)による自動制御によって、快適に生活しながら10%の節電が可能 CDC給電(300Vくらい)およびDC家電の導入によって10%の節電が可能 D太陽電池と蓄電池、電気自動車との連携によって35%の節電が可能 ここで、全体制御をするHEMSが不可欠であり、電気自動車のバッテリーや家庭用バッテリーを活用するにはインテリジェントパワコンが必要である。 まとめとして、エコハウスとは、〇省エネ、〇創エネ(太陽電池)、〇畜エネ をHEMSで制御する事によって実現されること、今後、堺実証ハウス(2階建て 総面積約270u)に於いて、上述の多くの技術の実験を行う計画であること、更に、エコハウスの概念をエコタウンにまで発展させたいと言う思いが語られた。 |
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