高周波アナログ半導体ビジネス研究会

セミナー報告 ≫第33回セミナー(25.08.08)
第33回 高周波・アナログ半導体技術セミナー報告
           

□テーマ:「シェールガス革命がIT産業に与える一大インパクト」
□日 時: 平成25年 8月 8日(木) 14:00-17:00
□場 所: 京都テルサ 西館3階 第2会議室 (京都府民総合交流プラザ) 


 今回のテーマは「シェールガス革命がIT産業に与える一大インパクト」で、この分野で活躍されている2名の方を講師にお招きし、ご講演戴いた。約30名の参加があり、またセミナー終了後の交流会にも多くの方々が参加され、講師を囲んで活発な意見交換が行われ、様々な新たな連携が促進された。
 以下、講演概要を報告する。
◆講演:「シェールガス革命は200年に1回の一大インパクト
     泉谷 渉 氏 (且Y業タイムズ社  代表取締役社長)
(第一部) 半導体産業は新分野に横展開し再爆裂!!
 半導体産業の応用機器分野は、現状は90%がIT機器(AV&携帯機器中心)であるが、この分野は成熟化が明確であり今後の伸びは期待できない。しかし、140兆円市場の医療機器や300兆円市場の次世代自動車関連機器、及び環境エネルギー機器分野等に、これまで培われた高度な半導体技術の横展開が進み、2016年以降には、半導体産業の再爆裂と新たな飛躍が始まると期待される。
 その市場予測を裏付ける多くの具体的な事例の紹介があり、「半導体産業に係る者として久し振りに聞く元気の出る話だった」との意見が多く聞かれた。

(第二部) シェールガス革命は日本企業に最大の追い風
 シェールガスの大量供給が、米国により開始されようとしている。日本でも、シェールガス原料のLNGの大量調達やLNG基地の整備計画等が始まっている。また、シェールガスやLNGの生産技術関連では、高圧パイプやポンプ関連で、多くの日本企業の世界トップレベルの技術力が要となっており、シェールガス革命は、日本の産業振興にも大きな追い風になると期待される。
 シェールガスは、エネルギーコストが低く埋蔵量も巨大なため、従来の石油中心の産業構造に大変化を引き起こすと予想されている。例えば米国では、安いエネルギーコストを背景に、化学工業の相次ぐ大型投資案件や、クアルコムやインテル等の半導体製造拠点への投資等、製造業の米国回帰が始まっている。また次世代自動車では、EVブームが一気にトーンダウンし燃料電池車が主流の時代になった。これ等の変化は、半導体関連産業を含む多くの日本企業にとって、今後、大きな追い風となると期待される。
 そのトレンドを裏付ける多くの具体的な興味深い事例の紹介があり、参加者それぞれが今後の事業戦略を考える上で、大きな参考になると思われる。
◆講演:「シェールガス革命とアベノミクスのエレクトロニクス業界への影響
     南川 明 氏 (IHSグローバル梶@E&M 日本オフィス代表)

 1)マクロ環境変化と中長期電子機器市場、2)スマホとタブレットの影響、3)シェールガス革命とアベノミクスの影響に等ついて、現状分析と今後の予測を講演された。
 中長期の電子機器市場では、今後アジアを中心に新興国の中間層が急増し大量消費時代が継続するが、そのため今後一層、省エネ化関連の技術が重要となる。IT機器を中心に半導体の搭載量(金額)は減少傾向にあるが、インフラ系や車載関連は減少していない。特にモアザンムーア関連の半導体はむしろ増加傾向にある。またスマホとタブレットは、DSC、ミュージックプレーヤやPND、PCの市場を侵食していることが統計上明確であり、それが今日の日本の産業構造の変化の一因と推定される。
 なお、今後の世界の電力消費量の増加も莫大と予測され、そのためにも省エネ化技術の重要性は高い。例えばインバータ化による省エネ化は今後必須である。またシェールガスの導入等、新エネルギーの開発も期待される。アベノミクスでも、経済的なエネルギーの需給が大きな成長戦略の要になっている。
 講演は、様々な統計データを基になされたため、説得力があったとの意見が多く聞かれた。

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