高周波アナログ半導体ビジネス研究会

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第40回 アナログ技術トレンドセミナ(HAB研セミナ)報告
           

□テーマ:「半導体ファウンダリビジネスの動向」
□日 時: 平成27年10月 6日(火)14:00〜17:00
□場 所: 京都テルサ 西館3階 第2会議室 (京都府民総合交流プラザ) 


 半導体技術は、あらゆる分野でおおきな役割を果たしてきている。大集積化、微細化という方向も依然大きな流れとしてあり、また違った観点でのアプローチが求められている。Time to Market、仕様の多様化に適したQuick TAT, 高性能に適した化合物半導体などの多様なプロセスなどを提供するファウンダリサービスがその役割を果たしている。
 今回は「半導体ファウンダリビジネスの動向」をテーマに、現状、新しいアプローチ及び今後のターゲットに焦点を当て、専門家の方をお招きし、下記の要領でセミナを開催した。
 40名の参加があり、活発な質疑、討論が行われた。またセミナ終了後の交流会にも多くの方々が参加され、講師を囲んで活発な意見交換が行われ、様々な新たな連携が促進された。
  以下、講演概要を報告する。
◆講演:「ミニマルファブ〜必要なデバイスを必要な時に必要なだけ作る」
     原 史朗 氏((国研) 産業技術総合研究所 ミニマルシステムグループ長)
 産総研では、少量向けの新しい超小型半導体システム〜ミニマルファブモデルを提案し、実際に開発してきた。 少量デバイスは、品種毎には小さな存在だが、多品種少量マーケット全体では、大量生産マーケットに匹敵する規模を持っている。 ミニマルファブは、この多品種少量マーケットに対応する半導体ファブである。投資額を300mmシステムの1/1,000に抑制するために、ウェハサイズを面積で約1/1,000のハーフインチとし、装置幅を30cmとした。さらに、クリーンルームの投資コストと運営コストを抑えるため、局所クリーン化搬送システム技術を開発し、クリーンルームを不要とした。すでに、主要装置は商品レベルにまで開発が進んでおり、オフィス環境等でMOSFETを試作することに成功した。
◆講演:「半導体プロセス試作ビジネス」〜InP系、GaN系等化合物半導体デバイスの試作サービスを中心として〜
     奥 哲 氏(NTTアドバンステクノロジ叶謦[プロダクツ事業本部 ナノテクビジネスユニット)
 NTTアドバンステクノロジ(株)(NTT−AT)で実施している半導体プロセス技術を用いた特注試作ビジネスについて紹介があった。
 本ビジネスの特徴は、化合物半導体基板を含む多種多様な基板種を用い、User の要求に合わせた特注加工工程を実施し、成果としての加工品を納品するところにある。User は、設備投資を必要とせずに、開発試作を原則的に実施する事が可能である。これまでの実施案件の多くは研究開発段階のものであり、製造方法の確定されていない加工品の場合には、その机上検討段階からお客様との充分な協議を基本にして最終目標に至る道程の共有を図ることで Win-Win の関係構築を旨としている。
 また、高精度な成膜技術をベースとし、金属多層膜を用いたX 線光学部品についても紹介された。
◆講演:「IoT Technology Solution」
     草野 正樹 氏(TSMC Japan Limited, Business Development 2, Deputy Director)
 かつて半導体の技術革新によって急速にPCの汎用化がもたらされ、同時に半導体市場の成長が促進されてきた。今日スマートフォン、タブレットといったモバイル機器が世界の半導体産業の成長を牽引している。そして今、次世代の成長エンジンとしてIoTが注目されている。 今回はIoT市場の主要セグメントにおける急速な成長に鑑み、関連する半導体デバイスの開発に対しTSMCのサービスをご紹介。 TSMCは1987年の設立以来ウエハーファウンドリーの専業メーカーとして、OIP(Open Innovation Platform)によるパートナー各社とのアライアンス体制にてサービスを展開している。 幅広いテクノロジーと世界最大のウエハー製造キャパシティーを用いたIoT関連デバイス開発、生産のコラボレーションを提案した。

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