第42回 アナログ技術トレンドセミナ(HAB研セミナ)報告 |
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□テーマ:「日台連携の現状と今後」 ※講演は、すべて日本語で行われました。 □日 時: 平成28年3月2日(水) 14:00~17:00 □場 所: 京都テルサ 西館3階 第2会議室 (京都府民総合交流プラザ) 当HAB研究会では、日台連携がグローバルに展開する新事業開発を目指すための重要な位置づけと認識し、台湾の先端技術研究の中核機関であり多くの世界的企業を輩出している工業技術研究院(ITRI)とMOUを締結し、新事業開発での連携を共同で推進している。 台湾企業や研究機関との連携のための相互理解を深める機会として、毎年一回、「日台連携の現状と今後」をテーマに、台湾の有力企業や研究機関より講師を招いてセミナを開催しており、今回も3名の講師を招いて開催した。 31名の参加があり、活発な質疑、討論が行われた。またセミナ終了後の交流会でも、講師を囲んで活発な意見交換が行われ、様々な新たな連携が促進された。 以下、講演概要を報告する |
◆基調講演:「日台企業連携の事業と実績」 李 湘平 氏 (工業技術研究院(ITRI)情報・通信研究所) |
工業技術研究院の組織や活動ならびにビジネス支援体制についての紹介と、同院の推進する日台企業促進プロジェクトについての報告が行なわれた。日本企業と台湾企業は異なる強みを持っており、これらの企業が連携することで中国などのグローバル市場に展開することでは大きな強みを発揮することができる。同院では台湾・経済部中小企業処の委託を受けて、情報の提供、マッチングサービス、技術移転/共同開発、販路や資金といった全般的なサービスを提供しており、過去5年間には39回のマッチング会を開催、共催し、この結果、日台企業連携63件を成功させ、20億台湾ドル(約70
億円)の経済効果を創出している。 |
◆講演:「直動製品技術の動向」 中田 修由 氏 (ハイウィン株式会社 取締役) |
ハイウィン株式会社は台湾、台中市に本社を置くグローバル企業で、直動部品、ベアリング、電子機器、工業ロボットといった製品を台湾に有する7カ所の拠点より世界に展開している。アメリカ、ヨーロッパ、中東、アジア、オセアニアと世界各地に営業拠点を有し、日本国内にも10カ所の営業拠点がある。世界有数の経済雑誌であるForbesでは「最も革新的な成長企業」として2014年に50位、2015年には37位に選出されている他、日経ビジネス誌でも2009年から2014年において世界5位の高成長企業と紹介されている。ロボット業界を牽引する企業として、世界の有力メーカーを顧客に有し、そのビジネスモデルでは部品からシステムの広範囲をカバーし、幅広い顧客にニーズと、進展するIoT化に対応しており、今後のさらなる成長が見込まれている。 |
◆講演:「Display産業の水平分業戦略―DARWIN」 洪 聖壹 氏 (達運精密股份有限公司 Darwin Precisions Corporation) |
Darwin社は台中市に本社を置き、液晶パネルメーカーAUO(友達光電股份有限公司)のグループ会社として、台湾、中国に製造拠点を有し、導光板や金属部品に関する技術をベースに各種モニターのバックライトモジュール製品やディスプレイ応用製品をグローバルに展開している。 AUOグループ企業内での水平分業というユニークビジネスモデルを展開し、グループ企業内のサプライチェーンで、液晶パネルからその周辺部品、さらにはテレビや、各種モニター、デジタルサイネージ・キオスクといった最終製品までを供給している一方、グループ企業の各社がそれぞれの分野において、独自のビジネスを通じて競争力を維持、強化している。それぞれの企業の高い専門性とサプライチェーンの統合により、変化と進化の著しいディスプレイ産業における競争力を確保している。 |
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