第52回 アナログ技術トレンドセミナ(HAB研セミナ)報告 |
---|
□テーマ:「イメージセンサとその応用システム」 □日 時: 平成30年9月21日(金)14:00~17:00 □場 所: 京都テルサ 西館3階 第2会議室 (京都府民総合交流プラザ) 最近のイメージセンサ関連の技術進化の動きは大変目覚ましく、その応用分野も、モバイル機器や監視カメラに限らず、ロボットや自動制御機器、自動車・航空宇宙分野、メディル・バイオ領域等へと、急速に拡大している。そこで今回のアナログ技術トレンドセミナは、「イメージセンサとその応用システム」をテーマとして取り上げた。 基調講演を東北大学須川教授にお願いし、新しいイメージセンサの研究開発動向をご紹介頂くと共に、イメージセンサを活用した新事業として、監視カメラ事業を展開中のベンチャー㈱ケービデバイスさま、外観検査事業を展開中の㈱SCREENホールディングスさまの取り組みを紹介頂き、最新のトレンド情報を共有した。 参加者は35名で、活発な質疑や討論が行われた。またセミナ終了後の交流会でも、講師を囲んで、事業連携の可能性など、熱心な意見交換が行われた。 以下、講演概要を報告する。 |
◆講演:「イメージセンサの極限性能の追究」 須川 成利 氏 (東北大学 大学院工学研究科 教授) |
イメージセンサの用途は、携帯カメラやPCから、自動車、各種制御機器、医療等、様々な分野に広がっており、近い将来、世界に一兆個以上のセンサが利用される時代がくると予想されている。現在は未だ成長の初期で、今後、更なる急成長が見込まれている。その中でセンサの最新技術も、人の目で捉えられない微弱、微細、広光波長、高速現象等の観察を可能にする領域に、進化しつつある。東北大学では、そのような極限性能を実現するイメージセンサの研究開発を行っており、1光子検出が可能な高感度と5ケタ以上の広ダイナミックレンジを可能にするイメージセンサや、1000万コマ/秒の高速イメージセンサ、紫外から近赤外(190nm~1100nm)までの撮影を可能にする広光波長帯域イメージセンサを可能にしている。またこれらの研究成果を事業化するため、多くの国内外の企業とのオープンイノベーションの取り組みも推進中である。 |
◆講演:「防犯カメラと画像認証によるソリューション事業」 谷 日佐司 氏 (㈱ケービデバイス 西日本支店長) 宮野 弘平 氏 (㈱ケービデバイス 製品統括部 製品開発課 係長) |
㈱ケービデバイスは、防犯カメラシステムの設計、施工、販売、保守を業務としている。24時間、365日可動を保証するシステムや、顔認証システムを利用した出入り管理・監視、熱画像監視システムによる太陽光発電システム監視等。セキュリティ業界の今後の市場予測は、2020年で5500億円、成長率18%とされている。また従来は200万画素のカメラが主流であったが、今後は顔認証、車両NO.認証、追尾システム等と連動した4Kカメラの需要が増えると予測されている。また様々なVCA(Video Content Analysis):映像解析技術ソフトが市場にリリースされており、このソフトを標準搭載したIPカメラも普及しつつある。今後超スマート社会の到来により、IoTや、AI、Deep Learningとの連動による更なる展開が期待される。 |
◆講演:「イメージセンサの外観検査へ応用」 上田 邦夫 氏 (㈱SCREENホールディングス 検査・計測事業室) |
SCREENグループは、半導体・液晶用バッチ式洗浄装置、コーターデベロッパー、及び、印刷用CTP装置で、 世界シェアNO.1を誇る。新規事業として、目視検査の自動化事業を推進中。現在、ショットブラスト加工前の鋳造、鍛造部品を検査対象とする、独自のマルチアングル・マルチショットシステムIM-3200を開発し、欠陥見逃しゼロ、過検出抑制を実現した。様々なカメラ方向と照明方向を組み合わせ、死角をなくして、34台のカメラで200枚以上の画像を取得し、良品画像との差分を抽出して良否判別を行っている。また回転対称鍛造部品を検査対象とし、複数のラインセンサカメラと照明を組み合わせたシステムIM-5100、冷間鍛造部品の外観形状変化を光切断法で捉え、製造装置の異常を検知するシステムIM-2500も開発し、実用化している。 |
NPO法人高周波・アナログ半導体ビジネス研究会 〒601-8047京都市南区東九条下殿田町13 九条CIDビル102 ㈱アセット・ウィッツ内 Tel. 075-681-7825 Fax. 075-681-7830 URL http://www.npo-hab.org |