高周波アナログ半導体ビジネス研究会

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第75回 アナログ技術トレンドセミナ(HAB研セミナ)報告
        


□ テーマ:「世界を変えそうな技術ベンチャー6」
□ 日 時: 令和6年8月21日(水)14:00~17:00
□ 形 式: 京都テルサ/Webセミナ併用


 今年度、第1回目のアナログ技術トレンドセミナは、昨年度に引き続き、我国の注目すべき技術ベンチャーの紹介をテーマとしてとりあげました。HAB研究会 技術ベンチャー委員会委員のネットワークの中から、持続可能な社会づくりに向けてユニークなエネルギーソリューションを提案しているベンチャー企業3社からご講演頂きました。
 参加者は27 名で、事業連携の可能性について、活発な質疑が交わされました。

◆講演:「EOT(Energy of Things)によるスマートエネルギー社会の実現」
             杉本 広紀 氏(株式会社PXP 取締役CTO)
 JAXA にて宇宙用太陽電池の研究開発に従事し、昭和シェル石油にて薄膜太陽電池の研究・開発・量産化を主導した後、薄膜材料を用いた曲がる太陽電池の開発・製造・販売を手掛ける株式会社PXP を共同創業した杉本氏からの講演。
 すべてのものにエネルギーが宿る「EoT(Energy of Things)」の実現を目指し、ペロブスカイトとカルコパイライトのタンデム型フレキシブル太陽電池を提案し、量産化検討と様々な用途での実証実験を推進中。耐久性向上と低コスト化が今後の課題。
◆講演:「水素MCH技術とその展開について」
             小池田 章 氏(株式会社フレイン・エナジー 代表取締役)
 株式会社電制在任中に水素エネルギー開発企業である株式会社フレイン・エナジーを設立した小池田氏からの講演。
 水素をメチルシクロヘキサン(MCH)に変換して貯蔵・運搬する技術の実証実験を推進中。水素とトルエンとを反応させる触媒と反応器が競争優位の源泉。水素社会到来時の有効な技術として期待できる。
◆講演:「環境温度で発電する熱発電技術:半導体増感型熱利用発電」
             生方(松下) 祥子 氏
            (株式会社elleThermo 代表取締役 / 東京工業大学 准教授)
 東工大での研究テーマである半導体増感型熱利用発電の社会実装に向け、株式会社elleThermoを起業した生方氏からの講演。
 物理化学の基礎にも遡り、半導体増感型熱利用発電の原理を説明。2028年3月の販売開始を目指し、実証実験を推進中。用途ターゲットは、一次電池の環境電池への置換。40℃程度の環境温度での発電ができるため、次世代電池として期待できる。


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