高周波アナログ半導体ビジネス研究会

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第84回 アナログ技術トレンドセミナ(HAB研セミナ)報告
テーマ:「UWBG次世代パワー半導体の動向」
□ 日 時: 令和8年9月17日(木)14:00 ~17:00
□ 会 場:Web(Zoom)配信


 半導体における消費電力低減が強く求められる中、特に高出力応用においては現状Siの特性限界が強く意識され、バンドギャップの大きなSiCやGaNの実用化が加速している。今回のアナログ技術トレンドセミナでは、SiC、GaNよりもさらにバンドギャップが大きく、より低損失な動作が期待されるウルトラワイドバンドギャップ(UWBG)材料に注目し、これら次世代パワー半導体に関して実用化開発を推進する国内の著名な研究者を招き、最新技術およびビジネス動向について、ご講演いただいた。GeO2の実用化を目差したベンチャー企業であるPatentix社の松田氏、ダイヤモンド半導体研究のパイオニアである早稲田大学 川原田教授、さらに化合物半導体材料全般、特にGaNに関して豊富な経験を持つ名古屋大学の乙木教授より講演を頂いた。セミナにはリモートで29名の方々が参加し、活発な議論・質疑応答が行われた。
 以下、講演の概要をまとめる。
◆講演:「新しいパワー半導体材料ルチル型二酸化ゲルマニウム:その特長と社会実装に向けた戦略について」
     松田 慎平 氏(Patentix株式会社 半導体事業部門 取締役CTO)
 松田慎平氏は、新たなパワー半導体材料として期待されるルチル型二酸化ゲルマニウム(GeO2)の特長と社会実装戦略を紹介した。GeO2は酸化物半導体としてp型、n型の両方が実現できることが大きな特長であり、低コスト基板を実現できる可能性からポストSiCとして期待が高まっている。Patentix社として当初はバルク基板上デバイスの実用化を指向してきたが、EV失速によるSiC市場の縮小予測に対応してSi基板上での実用化に戦略を変更した。既にn型ドーピング技術が確立され、ショットキーダイオードやMOSFETの動作検証、p型ドーピングの検討が進んでいる。さらに、びわこ半導体構想なる地域連携活動も立ち上がり実用化検討が加速している。
◆講演:「高周波用化合物半導体材料の最新技術と展望-WBG材料を中心として-」
      乙木 洋平 氏(名古屋大学未来エレクトロニクス集積研究センター 客員教授)
 乙木洋平教授は、ワイドギャップ半導体を中心とした化合物半導体材料の最新技術と展望を紹介した。化合物半導体はGaAs、GaN、SiC、InPにより約11兆円(年間)と半導体市場の6%前後と一定の存在感を維持できている。ここではGaNのスイッチング応用と高周波応用を取り上げ、スイッチング応用ではオンセミが量産化を計画しているGaN基板上GaN縦型デバイスと、高周波応用に向けてのN極性HEMTやInAlGaN/GaN HEMTといった最新技術が紹介された。
◆講演:「ダイヤモンド電界効果トランジスタの高周波パワー応用」
      川原田 洋 氏(早稲田大学 特命教授)
 川原田洋教授は、水素終端ダイヤモンドトランジスタの動作を世界で初めて確認した経緯を含めて、ダイヤモンド半導体材料の特長と研究開発の歴史を振り返った。実用化が期待されるハイパワー高周波FETに関して最新の技術動向を紹介した。高放熱性を活用してよりフィンガーピッチを縮小し単位面積当たりの出力を指標としGaNを凌駕する考え方を示した。スイッチング応用に向けてC-Si-O終端構造によるノーマリオフ動作や縦型デバイスの検討が進んでいることも示された。

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