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第4回 高周波アナログ半導体技術セミナー報告

□テーマ: 「広帯域・高効率・高線形RFモジュールとその応用」
□日 時: 平成18年5月11日(木) 15:00〜17:20
□場 所: ぱるるプラザ京都 6階 6号会議室


 第4回の高周波アナログ半導体技術セミナが、5月11日に京都で開催された。今回は、東京から参加されるJASVA会員の都合を考慮して、会場を京都駅近くの「ぱるるプラザ京都」で開催した。
 今回のテーマは「広帯域モジュール技術」と題して、電気通信大学教授の本城 和彦氏、椛コ田製作所課長の芳井 義治氏、潟コオ執行役員の堀江 凉氏の講演を行い、その後交流会を行った。
 開催の連絡が遅れたにも係わらず、38名の参加を得て大変盛況であった。本セミナの参加者の特徴は、高周波アナログ分野の新規事業開発の実務に直接携わっている方々が多いことで、今回も活発な質疑で、会場は真剣かつ熱気のある雰囲気に包まれた。
  また交流会でも、この分野でベンチャーや新規事業を興そうとする我々の取り組みに対し、多くの賛意と期待が語られ、世話役一同も大きく勇気付けられた。
◆基調講演:「次世代ワイヤレスモジュール設計のための基盤技術とその応用」
          本城 和彦 氏 電気通信大学 先端ワイヤレスコミュニケーション研究センター
 概略:ワイヤレス情報通信におけるキーワードは「超高電力効率」「超高線形」「超広帯域」「人間の寸法」である。
  
  具体的には次の通り。
    
      ・超高電力効率:電池が電源の携帯端末、信号処理回路の高集積高機能化
      ・超高線形:デジタル無線変調波(W-CDMA、OFDM)の飽絡線変動特性、MIMO、UWB方式
      ・超広帯域: 自己補対UWB2オクターブアンテナ、超広帯域回路技術
      ・人間の寸法: 身長1.7m、胸囲90cm、Φ=30cm
   
  次いで、1)本城研究室における次世代超高周波ワイヤレスモジュール研究、2)熱解析・電磁界解析・半導体デバイス解析の融合例、3)非共振型アンテナのUWB応用、UWB RFフロントエンドMMIC、4)ブロードサイド4結合線路を用いた超広帯域帯域通過フィルタ等を詳説。
◆講演1.:「フィルタ技術の現状と課題」
          芳井 義治 氏 (株)金沢村田製作所 第1高周波部品商品部 商品技術課
 概略:
     1)RFフィルタの概要としてSAWフィルタ、LCフィルタ、誘電体フィルタの特徴が解説された。
     2)SAWフィルタの特徴として、動作原理、微細加工、高周波化、応用例が説明された。
     3)小型化とモジュールへの搭載についてはその課題が携帯電話中心に説明された。
     4)アンテナ共用器(デュプレクサー)への応用として、TDMAからCDMAへの流れがあるがCDMAでは
      アンテナ共用器が必要。また、応用上の課題では、BAWデバイスと市場、多バンド対応、モジュール
      への集積化などがある。
     5)トラップへの応用では各種デジタルモバイルTVモジュール、UWBへの応用を紹介。
◆講演2.:「小型アンテナの現状と課題」
          堀江 凉 氏 (株)ヨコヲ
 執行役員 研究開発部長
 概略:アンテナは無線端末の重要部品の一つだが、集積化に取り残された最後の部品とも言われる。
     ここでは、アンテナの小型・広帯域・高効率化技術の動向と課題について述べる。
    1)携帯端末用小型アンテナの概要  
     小型アンテナの一般論、携帯端末用小型アンテナの実際 電気的特性、機械的構造等
    2)携帯端末用アンテナの現状
     アンテナを取り巻く環境、主要搭載システム、周波数とアンテナ等
    3)携帯端末用アンテナの課題
     広帯域化、小型薄型化、低SAR化、高機能効率化等
    4)まとめ
     携帯端末アンテナの一般的進化方向、新技術開発、応用概況等

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