高周波アナログ半導体ビジネス研究会

セミナー報告 ≫第53回セミナー(30.12.04)
第53回 アナログ技術トレンドセミナ(HAB研セミナ)報告
       


□テーマ:「5G無線通信システムの動向」
□日 時: 平成30年12月4日(火)14:00~17:00
□場 所: 京都テルサ 西館3階 第2会議室 (京都府民総合交流プラザ) 


  アナログ、デジタル、CDMA、WCDMAと通信方式の進展とともに高速化、大容量化することで進化してきた移動体通信は社会インフラの基礎となり、スマホを通じてユビキタス社会は現実となった。移動体通信技術は今後Big Data処理、AI、自動運転、センサーネットワークなどの社会実装のネットワーク基盤となっていくことが期待されている。第五世代移動体通信(5G)はこのために提案されたものである。今回のアナログ技術トレンドセミナでは、「5G無線通信システムの動向」をテーマとして取り上げた。
今回のセミナの基調講演を、5Gを実現するためのハードウェア、デバイス、又はシステム応用の分野で活躍されている著名な講師陣にお願いし、5G開発の課題や、将来像についてご活発な質疑が行われた。

 以下、講演概要を報告する

◆基調講演:「5G移動体通信とハードウエアブレークスルー技術」
     本城 和彦 氏(国立大学法人 電気通信大学 名誉教授)
 5Gシステムの概要とハードウェアの開発動向について現状を紹介された。各国の周波数帯の割り当てなどに課題が残っている現状であるが、半導体デバイスではGaNが送信用増幅器として期待が高まっているとのことである。回路的には効率と歪を適切に設計するためにコンカレントデュアルバンド電力増幅器などの新しい構成方法を紹介された。特にMMIC化は重要になっており、総務省プロジェクトで試作された各周波数帯のPAについて技術的な説明をされた。更に、これまでの通信技術とは全く異なるOAM(軌道角運動量)を用いた方法について基礎的な部分からの紹介があった。今後の電波資源拡大についてブレークスルーとなる可能性があり、多くの国内外の企業とのオープンイノベーションの取り組みも推進中であるとのことであった。

◆講演:「5Gと次世代モバイルアクセスに向けた高周波技術とデバイスへの要望」
     金子 友哉 氏(日本電気㈱ ワイヤレスネットワーク開発本部 主席主任)

 NECにおける5Gシステム開発の現状について概要を紹介された。4.6GHz Full-digital Massive MIMOのフィールド試験などの結果の説明があり、Sub6と呼ばれる6GHZ以下の周波数帯と28GHz準ミリ波帯の領域で高周波部分が大きく異なってもシステム的な構成は同じであること、ビームフォーミング技術がキーテクノロジーとなることが説明され、高周波半導体に対しても更なる展開が期待されるとの報告であった。

◆講演:「ソフトバンクの創る5G」
     岡廻 隆生 氏(ソフトバンク㈱ 技術戦略統括 先端技術開発本部 先端技術部 部長)
 5Gがこれまでの4Gと異なる目的のネットワークとなることを応用シーンから紹介された。遅延の少ない大容量の通信方式であるため、モノをつなぐ、データを収集する、サービス化するための次世代IoTの基盤となるネットワーク技術になると期待がある。5Gを用いた様々なネットワーク利用の形態について紹介され、最後はソフトウェア無線のローコストデモに至るまでを説明され、今後の新しいネットワーク社会像を紹介された。



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