| 第81回 アナログ技術トレンドセミナ(HAB研セミナ)報告 |
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□ テーマ:「日台連携;世界を変えそうな台湾技術ベンチャー5」 □ 日 時: 令和7年11月14日(金)14:00~17:00 □ 形 式: Web(Zoom) HAB研は今年度も台湾のITRIの協力のもと、世界を変えそうな台湾技術ベンチャーを紹介するセミナを開催しました。このセミナは2019年から年1回開催し、台湾スタートアップ・エコシステムや有力技術ベンチャーの最新動向を把握し、台湾と連携する機会をすることを目的としています。今回のセミナは、Energy Globe Awardを受賞したAP PLASMA株式会社社長の張加強氏と営業部長の石芸瑄氏、国家実験研究院台湾半導体研究所(TSRI)アソシエイツ研究員を務めている許隆興氏、台湾で初のSaMD(Software as a Medical Device)認証を取得した医療AIベンチャーのDeepRad.AI社CMOの邵芷筠氏をお招きしてご講演いただきました。以下は講演内容の要約です。 |
| ◆講演:「Why Is Atmospheric Plasma Your Superhero?」 Chairman Chia Chiang Chang(張加強) 氏 & Sales Representative Sylvia Shih(石芸瑄) 氏 (大氣電漿股份有限公司 / AP PLASMA Corporation ) |
| 本講演ではAP PLASMA株式会社が提供するプラズマ技術と、その産業応用、特に靴産業での強みを紹介している。プラズマは気体が高エネルギー状態でイオン化した物質の第4の状態で、材料を傷つけずに官能基を生成し表面をナノレベルで粗化・活性化することで、接着剤の密着性を大幅に向上させる点が特徴である。これにより、高品質製品、環境負荷低減の製造工程、コスト削減という三つの利点を顧客に提供する。同社の新型プラズマ技術は、社長のITRI在籍時の研究成果を基盤とし、高濃度・高性能で、特殊ガス不要、低温処理、粉塵を排出しない、オゾン被害なし、高速処理など従来方式より優位性が高い。主力製品にはオーロラ生成装置やオーロラロボットアーム、3D空気オーロラ自動粗削り設備などがあり、プラズマ設備の提供や製品OEMなどのサービスも提供している。2020年のEnergy Globe Award受賞など実績も豊富で、世界メーカーとの取引により高い信頼性が示されている。質疑応答では、他の材質も1000倍以上粗化することが可能かなどの質問があった。 (注)AP PLASMA Corporation.<https://www.airaurora.tw/> |
| ◆講演:「The Advanced Compound Semiconductor Epitaxy and HEMT-Fabricated Technology
in TSRI」 Lung-Hsing Hsu (許隆興) 氏 (TSRI(国家実験研究院台湾半導体研究所)Assistant Researcher, PH.D.) |
| 本講演は、台湾国家実験研究院半導体研究所(TSRI)が展開する先進的化合物半導体エピタキシーおよびHEMTデバイス製造技術の現状と展望を示したものである。TSRIは、オープンファウンドリとして、台湾国内大学や産業界とは高度人材育成や国家半導体計画を推進し、海外では日本・米国・欧州などの多国間協力を通じ、先端材料・プロセス開発を多数進行中である。ファウンドリはレベル10-10,000までのクリーンルームを24時間で提供し、CMOS研究用パイロットライン等も完備している。サービスには統合デバイス製造、化合物半導体、材料解析の三つのプラットフォームが整備される。統合デバイス製造プラットフォームにはFinFETや量子コンピュータ向けの先端R&Dモジュール、次世代デバイス技術、基板互換性設計の開発を支援している。化合物半導体の研究開発では、GaN系化合物半導体系の技術に注力し、Si(6”/8”)およびSiC(4”)基板上で幅広く高品質GaNエピタキシーを実現し、またRF用途の高周波GaN HEMTの製造プラットフォームも提供している。材料解析においては、基礎材質以外、特にAtom Probe Tomography、Cs-STEM-EELSといった先進的材料解析技術に焦点を当てている。GaN HEMTsは高圧・高周波デバイスに適しているが、今後の課題としてT字ゲート構造、パッシベーションなどを挙げ、ベンチマークの目標や、TSRIの技術独自性、8” GaN HEMT Epitaxy Platform(特にエッチング)の優位性を示された。質疑応答ではTSRI技術の詳細について多くの質問があった。 (注)Taiwan Semiconductor Research Institute <https://www.tsri.org.tw/main.jsp> |
| ◆講演:「医用画像×人工知能で予防医学に革命を」 Ginn Shao(邵芷筠)氏(DeepRad.AI社 神瑞人工智慧股份有限公司 CMO) |
| 本講演は、2023年に設立された台北医学大学発の医療AIスタートアップの事業概要と主要技術を紹介している。同社は肺がん、冠動脈石灰化、骨粗鬆症という三大疾病の早期発見に注目し、低線量CTを用いて1回のスキャンで三疾患を同時に可視化するAIシステム「DeepLung-CAC」を開発した。この技術は肺結節の検出、過去画像との比較による追跡、重大な所見の見逃しの低減、レポート作成の簡易化などの特徴を持ち、診断時間短縮、被ばく低減、放射線科医の読影負担軽減を実現することにより、人口高齢化と放射線科医不足といった課題解決に寄与する。この技術は台湾で初のSaMD(Software as a Medical Device)の認証を取得し、すでに30以上の病院で導入、累計9万件超の実績を持つ。海外でも日本市場での認証取得とパートナー(販売代理店、健診センター、病院等)探索を進めている。現在、もう一つのコア技術である、MRI画像から脳年齢や萎縮度を解析し将来の認知症リスクを予測するAI技術「DeepBrain-Cognito」を開発中である。将来、医療現場の予防医療と収益性向上を両立できる新たなヘルスケアシステムの確立を目指している。質疑応答では、ビジネスモデルの詳細についての質問があった。 (注)DeepRad.AI INC.<https://deepradai.com/ja/> |
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